履修のためのヒント

 

[内容]

(1)2017年度の評価方法…単位認定の方法・採点基準を公開しています｡

(2)評価結果…合格率・評価分布を公開しています｡

 

(1)2017年度の評価方法

  授業内テスト(100点満点)に,講義中にランダムに2回実施した「授業内課題」(第1回―20点・第2回―20点・小計40点)成績,受講態度を加味して総合的に評価｡

 

[授業内テスト問題]

第1問日本の農業に関する以下の文章を読んで,番号に対応する問いに答えよ｡なお,解答欄は設問番号順になっていないので注意｡

 

A. 日本における農業の役割は，世界における農業の役割と比較すると，極めて低い。まず，山がちであるという制約から，日本の耕地面積は全国土面積の約  (1)  割にすぎない｡農家一戸当りの経営耕地面積も狭く，少なくとも半数以上の農家が  (2)  ヘクタール未満となっている。農家数も減少しており，2015年には約  (3)  万戸となった。日本における農業は,産業としても,縮小している。2014年のデータをあげれば,農業は,国内総生産で  (4)  ％を占めるにすぎない。

その一方で,農産物･食料品の輸入は多く,日本は世界有数の農産物･食料輸入国となっている。食料自給率の向上は，長年にわたってとりくまれているが，自給率は過去15年間にたって横ばいを続けている。このため，2015年3月に閣議決定された「食料・農業・農村基本計画」においては(5)「我が国農林水産業が有する食料の潜在生産能力」の向上が目標として加えられた。そのための(6)村落などを単位とした農業経営体が注目されている。

2011年3月11日に発生した東日本大震災およびそれにともなう東京電力  (7)  原子力発電所事故は,日本の農業の将来に深刻な影響を与えた。大量の放射性物質の飛散に対しては, 政府は暫定規制値をへて,2012年4月からは新たな基準値を定め,一定の対応を行なっている。しかし,問題の根本である放射性物質の除染，最終処理に関しては,まったく解決の見通しがたっていない。

  B. 第二次世界大戦を前後して，(8)政府の役割に関して，大きな転換が起こった。それは農業政策の転換をもたらし，(9)世界の穀物貿易の様相も大きく変化することなった。また，先進国は(10)食料自給率の向上に邁進することとなった。同時に，食料供給は複雑化して，(11)食料供給を農業・食品工業・食品流通業の総体として把握しようとするアプローチが成立した。

 

問(1)(2)(3)(4)(7)に適する数字・語句を記せ｡ (5) 下線部の内容を示す用語を漢字5字で記せ。(6) 線部の名称を漢字4字で記せ。(8-a) 「政府は,警察や消防などを運営して社会の治安を維持すれば良い」という考え方をなんと言うか。漢字4字で記せ。(8-b)「政府は景気浮揚のため，積極的に公共投資を行うべきである」という考えに根拠を与えたイギリスの経済学者の名前(姓)を記せ。(9)どのような変化だったかを，講義内容に即して，簡潔に記せ。(10) 2016年度(概算)の日本の総合食料自給率(カロリーベース)・穀物自給率・主食用穀物自給率をそれぞれ記せ。(11)このことをなんと言うか。7文字で記せ。

 

第2問  以下の用語･概念を,講義内容に即して,解説せよ(なお,「解説」とは単なる語の定義を記すだけではなく,関連する情報を整理して伝えることが期待されているので留意すること)｡(15点×2)｡

 

(1) 零細分散錯圃

 

(2)フードセキュリティ

                                     以上

 

近年まで，本科目は，「基本的用語･概念･知識をしっかりと身につける」ことを趣旨として，「授業内課題」とまったく同じ問題を「授業内テスト」に相当程度出題してきた。「授業内課題」に関しては専修大学ポータルを通じて，解答および解説を配布したので，「復習さえしっかりやればだれでも単位が取得できる」という点を科目運営のコンセプトとしてきた。しかし，残念なことに，「授業内課題」の配布された解答だけを丸覚えするだけの受講生が多々出現する事態を招いた。例えば，日本の耕地面積が国土面積のどれくらいに相当するかを問う問題である。授業課題では「何割に相当するのかという形式」で，授業内テストでは「何％に相当するのかという形式」で出題したが，授業内テストでは「1％」という解答が圧倒的に多かった。こうした学習態度は，自身のためにならないばかりでなく，有害である。このため，2015年以降には，このような安易な態度では合格点が得られない出題方法に変更している。

 

 

(2)評価結果

 

 

履修登録者総数…A

66名

授業内テスト受験者数…B

38名

合格者…C

31名

 

合格率

名目合格率(C/A)

57.6％

実質合格率(C/B)

81.6％

[合格率に関する註釈]

履修登録をおこなっても,授業に一切でない人も存在します｡このため,「名目合格率」は,ほとんど意味をなしません｡単位認定の度合い,難易度を「比較的正確に」表現していると思われるのが,「実質合格率」と考えることができます｡

 

成績分布

S

A+

A

B+

B

C+

C

F

3

1

4

1

3

4

15

7

 

2016年度授業内テスト問題