履修のためのヒント
[内容]
(1)2017年度の評価方法…単位認定の方法・採点基準を公開しています｡
(2)評価結果…合格率・評価分布を公開しています｡
(1)2017年度の評価方法
→授業内テスト(100点)に課題(CoursePowerを通じて出題･回答｡2回実施｡20点)と受講態度を加味して,総合的に評価
[課題評価方法]
1)解答作成方法の遵守されていないものは，内容の如何にかかわらず「0点」として処理。
･ファイル名[「名前を付けて保存」の際に入力する文字列]のつけ方を守っていないもの
→「氏名・学籍番号」。英字および数字は半角。
○中元すず香・W28-1220S
×W28-1220S・中元すず香→学籍番号･氏名
×中元すず香・W281220S→学籍番号の表記異
×中元すず香・Ｗ２８−１２２０Ｓ→英字ないしは数字が全角
×中元すず香・w28-1220s →大文字の指定を守らず
本文中で以下の指示を守っていないもの
･ アルファベット･数字を半角で表記していないもの
・ワード文章以外(一太郎文章，テキストファイル，PDFファイル等)で作成されたもの。
･課題で指定されたキーワードを指示どおりに で囲っていないもの
･「段落冒頭は一字分あける」等の原稿用紙利用時の文章作成の決まりを守っていないもの｡
･「である体」を遵守していなもの
･ 指定されたキーワードを使っていないもの
2)解答作成方法の遵守されているものは，課題毎に設定されたポイント(2個所，各5点)の記述内容に応じて，採点。ただし，あまりにも叙述が粗雑なもの，叙述に誤認が含まれているものは，誤字脱字のあるものは，相応の減点を実施。減点の結果，得点がなくなる場合もある。
なお,最終評価にあたっては,1)の措置により0点として処理されたものに対しても，「課題を提出したという事実」は,考慮するものとした｡
また,最終評価にあたっては,「て･に･を･は」を変えた程度の類似の解答,同一ファイルを使い回しての解答は,発覚した時点で評価の対象外(＝即,不合格)とするので,留意すること｡
[授業内テスト問題]
第1問
以下の文章を読み,問に答えよ。解答欄は必ずしも問題順になっていないので注意すること。
冷戦の開始後に「東欧」諸国にソ連型社会主義が機械的に移植されることになった｡ソ連型社会主義の特徴としては,(1)生産手段が共有(主に国有)とされたこと，(2)重工業中心の工業化がおこなわれたこと等があげられる。ともあれ，ソ連社会主義の機械的移植によって，「東欧」諸国は，ソ連に(3)経済的に依存することとなった。また,「東欧」諸国は,(4)制限主権論によって,社会主義体制からの離脱を禁止されていた｡
ソ連型社会主義には,政府機関と企業との情報交換,企業活動の監視に莫大なコストがかかるという問題点が存在した｡こうした問題点に対して, (5)ユーゴスラヴィアでは新しい形の社会主義を導入することによって,ハンガリーでは全面的な経済管理を緩和し市場経済の要素を取り入れることによって,解決が試みられた｡しかしながら,こうした改革は成果をもたらさず,東欧の経済は低迷し始める。
東欧民主革命以降,(6)各国で経済体制の移行が開始された。しかし, (7)その直後には各国の経済には重大な影響がもたらされた。経済体制移行から四半世紀が経過した現在,中･東欧諸国の多くが(8)EUに加盟しており,(9)新興経済地域として世界中から注目を集めている。
問(1)「生産手段」とはなにか｡具体例を記せ。(2)「重工業」「軽工業」とはどのような工業か。それぞれ具体例をあげて説明せよ。(3)この関係をもたらすことになったソ連と「東欧諸国」等の間で結成された経済組織の名称を記せ。(4-a)この理論の提唱者の人名(姓)を記せ。(4-b)関連して，近代的な国際秩序の原則「主権尊重」「領土保全」を示した1648年の条約の名称を記せ。(5)これは,当時「○○○○社会主義」とも呼ばれていた。空欄にあてはまる漢字4字を記せ。(6-a)これにともなって価格決定方式はどのように変わったか。簡単に説明せよ。(6-b)関連して，ポーランドにおいて「政府経済プログラム」を作成した政治家の人名(姓)を記せ。(7) この時期,各国のGDPおよび消費者物価には,どのような変化がおこったか｡ごく簡単に記せ｡(8)EUが実施しているCAPの正式名称を英語で記せ。(9)この地域の経済発展のきっかけとなったと言われるのがFDIであるが，その正式名称を英語で記せ。
第2問 以下にあげた用語を講義内容に即して解説せよ。なお，解説とは単なる語の定義だけではなく，関連する情報を整理して記述することが求められているので留意せよ。解答欄が足らない場合には，余白を適宜利用すること。
1. 東欧
2. コペンハーゲン基準
第3問 以下の文章(1)〜(5)にもっとも適する国名を解答欄(1)〜(5)に記入せよ｡なお,あわせて,その位置を地図の数字で記せ。回答例→(1)デンマーク・位置 10
(なお,地図中の空欄は,得点とは無関係であり,埋める必要はない)｡
(1)この国は，2017年現在で，もっとも新しいEU加盟国である。
(2)この国の大統領はアーデル・ヤーノシュ，首相はオルバーン・ヴィクトルである。ちなみにこの国では人名は，日本と同様に「姓・名」の順番で表記される。
(3)この国は，Eurostatの発表した2016年の一人当たりGDPで，中東欧諸国の中で第一位となっている。
(4) 第2次世界大戦中に多くのユダヤ人を救った杉原千畝は，この国のカナウスにおかれた日本領事館の領事代理を務めていた。
(5)この国では，2015年秋の総選挙で，反移民を掲げる保守政党「法と正義」が絶対多数を獲得した。フレデリック・ショパンの出身地としても知られている。
[授業内テスト採点基準]
第1問
計画経済から市場経済への移行に関する総合問題。(1)(2)は，経済にまつわる基本的知識。(4-a)は，ブレジネフ(レオニード・イリイチ・ブレジネフ)。「制限主権論」は，ブレジネフの名を取って「ブレジネフ・ドクトリン」とも称せられる。なお，「ドクトリン」とは，原義は「教義」。そこから転じて，「基本的な考え方・方針」という意味になる。すなわち，「ブレジネフ・ドクトリン」とは，「ブレジネフが提唱した基本的な考え方」ということになる。名前がブレジネフで，姓がドクトリンではない。
第2問
各15点
採点にあたっては,用語･概念のそれぞれに対して4つのチェックポイントを設定し,それが書けていれば5点を与えるという方法を採用した｡3つ以上のチェックポイントをクリアすれば15点の満点となる｡
このため,ごく簡単に書いていても,チェックポイントを的確に捉えられた場合は,高得点になる｡逆に,長い叙述でも(ともかく書いても)チェックポイントが1つのみである,チェックポイント自体をはずすと得点は伸びない｡
第3問
国名・地図上の位置→各2点(ただし，国名を間違えた場合は,位置が正解でも得点としない)｡
毎回出題される地図がらみの問題｡今回は(4)および(5)の正解率が著しく低かった。(4)は世界的にも評価されている(極めて稀な)日本の外交官に関する問題，(5)は教養問題でもある。また，(5)は2016年にも同趣旨の問題を出題しているので，極めて残念。ちなみに，ポーランド最大の空港は，「ワルシャワ・ショパン空港」と命名されている。
[最終評点の処理]
課題等の得点は授業内テストの得点が
(1)60点以上の場合,その点数を加算｡
(2)59点以下の場合,その点数を60点に達するまで加点｡ただし,加点をしても60点に満たない場合には,授業内テストの得点を最終評価とする｡
例えば,課題等の得点が15点の場合,
1)授業内テストが60点→課題の15点を加算して,最終評価75点(60+15)
2)授業内テストが50点→59点以下なので,加点｡ただし,加点は15点ではなく10点→最終評価60点(50+10)
3) 授業内テストが6点→加点しても60点に満たない(21点)ので,最終評価は授業内テストの点数のみ→最終評価6点(6+0)
なお，今回は履修者が少数のため，教室内で学生に様々な意見を表明する機会を設けた。そこにおける発言内容も加味して成績を評価した。
CおよびC+の評価をうけたものは，本来は不合格であったが，課題および教室での発言内容により，救済された者である。このことを認識して復習に励まれたい。
(2)評価結果
履修登録者総数 27名
授業内テスト受験者数(＝履修者数) 16名
→履修率＝履修者数/履修登録者数＝59.3％
合格者数 14名
名目合格率(合格者/履修登録者数) 51.9％
実質合格率(合格者/履修者)
87.5％
成績分布
|
S |
A+ |
A |
B+ |
B |
C+ |
C |
F |
|
4 |
0 |
1 |
0 |
2 |
1 |
6 |
2 |